鰻を食べる時に欠かせない『粉山椒』
粉山椒の他にも、『花山椒』『実山椒』などがありますが、これはすべて収穫時期が違うだけで、同じ山椒の木から獲れるのです!
そして、もう一つ似た名前のものに麻婆豆腐などに使われる『花椒(かしょう)』と呼ばれるものもありますが、山椒とは、どこが違うのでしょうか?
[char no=8 char="パパ"]今回は「花山椒」「実山椒」と「花椒(かしょう)」について、詳しく説明していくね![/char]
今回は、山椒の収穫時期や、季節ごとにおすすめする美味しい食べ方についてご紹介します。
お好きなところからどうぞ
花山椒と山椒の意味と違いとは?
まずは、『山椒』と『花椒』のそれぞれについてご紹介と違いについて説明します。
山椒(さんしょう)とは
『山椒(さんしょう)』は、日本産のミカン科サンショウ属の落葉低木です。日本では、北海道から屋久島までと幅広く見られ、朝鮮半島の南部にも分布しています。
山椒には、雄株と雌株があり春に花を咲かせ、山椒の実がなるのは雌株のみ。山椒は、新芽(木の芽)、つぼみ・花(花山椒)、果実(実山椒)などが、食用として利用されています。
未熟な青い果実(実山椒)は、佃煮など、鰻のかば焼きなどに使われる『粉山椒』は、熟した果実の皮の部分を粉にしたもので、芳香と辛さが特徴となります。
また、山椒の木は材質が堅く、ほのかに良い芳香がするので、すりこぎの材料としても用いられています。
花椒(かしょう)とは
『花椒(かしょう、ホワジャオ)』は、中国産のミカン科サンショウ属の落葉低木で、日本の山椒とは、同属異種に当たり別物となります。
植物としての和名は、日本の山椒と区別するために、『カホクザンショウ』と呼ばれます。また、食用として日本の山椒や花山椒と区別するため、『四川山椒』や『中国山椒』と呼ばれることもあります。
香りや味は、日本の山椒に似ていますが、最大の違いは、山椒よりもさらに芳香と辛味が強いことです。
山椒は、芽、花、実等を食用にしていますが、花椒で使うのは乾燥させた果実のみ。乾燥させた花椒の果実は、そのまま漬け物などにそのまま使用したり、粉末状にして使います。
鰻や麻婆豆腐におすすめはどっち?
上に書いたように、種類は同じものである山椒と花椒ですが、どうやら味も香りも近いようです。
では、山椒を麻婆豆腐に使ったり、逆に花椒を鰻のかば焼きに使っても美味しくいただけるのでしょうか?
それぞれ味や香りなどを比べてみましょう。
花椒の辛さは、パンチのあるしびれるような辛さと、爽やかな強い香りを持っているため、辛い中華料理には欠かせないスパイスの1つと言われています。
[char no=7 char="にゃー"]辛いのと熱いのは(猫舌で)苦手だにゃ~[/char]
正直、日本ではあまり聞かない、花椒ですが、中国では多くの一般家庭で使われているそうですよ。
花椒の使い方は、揚げ物を塩に花山を混ぜた『花椒塩』や、油に花椒の辛みと香りを移した『花山油』などがあります。
そんな花椒を使った料理で一番有名なのが、麻婆豆腐です!
辛さで有名な四川料理の中でもメジャーな料理の麻婆豆腐の美味しさの秘訣は、唐辛子の辛味と花椒の舌がしびれるような辛みが重要だとのこと。
花椒を使った麻婆豆腐は、独特な香りと辛さが特徴なため、花椒を入れたものと入れないものでは、出来上がりがまったく違うものになってしまうそうなので、花椒の存在感が大事なポイントのようです。
よって、麻婆豆腐に山椒を使ったとしたら、花椒に慣れている人には、香りも辛さも物足りなく感じてしまうと思われます。
ただ、花椒の香りや辛みが苦手な人もいるので、そういった場合は、山椒の方が食べやすく舌に合うという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
[char no=9 char="ママ"]今度、ためしてみようかしら♪[/char]
対して、花椒に比べると香りも辛さもマイルドなのが、日本の山椒の特徴です。
その為、繊細な味の日本料理を引き立てるのに最適と言えるでしょう。
鰻のかば焼きに粉山椒は欠かせませんし、それ以外にも、焼き鳥屋お吸い物、レバーや煮魚の臭み消しにも利用されています。
ここで、山椒の香りに花椒を使用した場合、あっさりとした日本料理が、エキゾチックな香りと辛さを持つ別の料理になってしまうことも考えられます。
[char no=8 char="パパ"]鰻のかば焼きなどの日本料理には、今まで通りの山椒を、中華料理の麻婆豆腐には、好みに合わせて花椒、または山椒を使うのがおすすめですよ![/char]
山椒の時期や食べ方は?
中国産の花椒を手に入れるには、スーパーなどのスパイスコーナーな中華コーナーで粉末になったものや、粒状の物を購入するのが一般的となります。
それに対して日本の山椒は、季節に合わせて収穫した、芽や葉、花、実などを食べることが可能です。
山椒には、それぞれ、収穫に適した時期があるので、ご紹介しますね。
『新芽(木の芽)や葉』
4月ごろの新芽(木の芽)は緑が鮮やかで香りが良いため、味噌和えや焼き物、煮物など料理の彩りとして添えられます。
スーパーなどでも見かけます。
『花山椒』
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4~5月ごろに小さな黄色い花を咲かせます。
山椒には雄株と雌株があり、雌株の花は実になりますから残しておくようにして、雄株の花を摘みましょう。
お吸い物に入れたり、料理の彩りとして使われます。
『実山椒』
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5~6月ごろ、まだ熟していない状態の緑色の実で最も香りと辛みが強いと言われています。
熟してくると、山椒の実の色が変わってきますので、そのなる前の短い時期だけが収穫シーズンと言われています。
調理方法は、しらすと一緒に佃煮にしたちりめん山椒や、茹でて冷凍保存したものを用途に合わせて使用します。
『粉山椒』
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10~11月ごろ、実が完全に熟した山椒の皮を粉状にしたもので、鰻のかば焼きには必需品です。
熟した実をカビないように良く乾かし、しっかりと乾燥したら、すり鉢やコーヒーミルで細かくします。
実山椒の美味しい食べ方
もし、自宅の庭などに山椒の木があるのなら、ぜひ、採りたての山椒を味わってみてはいかがでしょうか?
また、実山椒は、地域よっては、大手スーパーや八百屋、通信販売などで購入が可能です。
簡単な実山椒の茹で方や、佃煮のレシピを載せますので、参考にしていただけたらと思います。
実山椒の下ごしらえ
【材料】
- 実山椒:好きなだけ
- 水:鍋いっぱい
【作り方】
- 実山椒は、きれいに水で洗い、ごみや虫などを取り除きます。
- 鍋に湯を沸かし、沸騰したら、実山椒を入れ、中火で5分程度茹でます。指で潰れるくらいの柔らかさになったら茹で上がりです。
- ザルにあけ、水につけて冷まします。冷めたら水を替え、そのまま1時間程度、水にさらしてアクを抜きます。
- アクが強いようなら、水を替えて、さらにアク抜きをします。
- アクが抜けたらザルにあげて水分を切ります。この時、小枝などがあれば取り除いておきましょう。
- すぐに使う分以外は、冷凍保存をおすすめします。フリーザーバッグなどに平らにならし入れて、冷凍します。
*実に付いている軸は食べられますが、気になるなら外しても良いでしょう。
*茹で上がってからの方が、小枝などが取れやすいです。
ちりめん山椒
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【材料】
- ちりめんじゃこ:100g
- 下ごしらえした実山椒:大さじ2(好きなだけ)
- 醤油:大さじ2
- みりん:大さじ1
- 酒:大さじ1
- 水
- ちりめんじゃこをフライパン又は鍋に入れて、をちりめんじゃこが半分浸かるくらいまで水を入れます。
- 調味料を全て入れます。
- 弱火で時々、混ぜながら水分が飛ぶまで加熱します。
*冷凍保存もできます。
さいごに
日本の山椒は、ぴりりとした辛さと香りを持ち、花山椒、実山椒、粉山椒など、いろいろな方法で食べることがきるのが特徴です。
簡単な下ごしらえの方法とちりめん山椒の作り方をご紹介したので、参考にしていただけたらと思います。
山椒と同じ種類の中国産の花椒には、強い香りと辛みがあり、辛さで有名な四川料理、特に麻婆豆腐には欠かせない調味料になります。
[char no=9 char="ママ"]ママは、花山椒の辛いのが病みつきだわ~[/char]
山椒と花山椒、どちらもそれぞれ持ち味がありますから、お好みに合わせて料理に使ってみるとよいかもしれませんね!