子供が不登校になるには、様々な原因が考えられますが、その原因の一つとなるのが、『学校恐怖症』です。
神経症である対人恐怖症の1つと考えられている学校恐怖症ですが、その原因や症状をチェックしてみたいと思います。
また、一般的な不登校ではないことから、克服にはどのような対策が必要なのでしょうか?
[char no=9 char="ママ"]いつ子供に「学校恐怖症」が起こるか分からないらしいから心配だわ・・。[/char]
今回は、学校恐怖症について、その原因や治療法をご紹介します。
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学校恐怖症とは?
学校恐怖症(school phobia)とは、子供が何らかの心理的原因で学校に行けなくなる症状を言います。
一般的な不登校と違い、神経症である対人恐怖症の1つと考えられ、『学校に行かない』という一般的な不登校とは異なり、学校に対して異常なまでの強い恐怖感や不安感、多汗、動悸、体や手足などの振るえなどを感じ、『学校に行けない』状態に陥ります。
学校恐怖症の症状
学校恐怖症は、3つの段階に分けることが出来ると言われています。
心気的時期
登校時刻になると、身体的不調を訴える状態です。
その症状は以下のようなものが見られます。
- 頭痛
- 腹痛
- 脚痛
- 吐き気や気持ち悪さ
- 朝起きられない、寝ぼけ
- 疲れなどの倦怠感
上記の症状は、朝起きてから午前中は症状が重く、午後は軽くなり、夕方になると収まってくるのが特徴です。
また、これらの症状は、一般的な不登校の子供や、起立性調整障害の子供にも良く見られる症状と非常に似通っているため、素人では、なかなか判断をつけることは難しいと思われます。
また、親が付き添えば学校に行けるが、一人では学校に行けても教室に入れなかったり、家を出ても途中で引き返してしまうという子供もいるようです。
この時期に専門医にかかることで症状が進むこと抑え、回復に繋がります。
登校時のパニック時期
心気的時期の次の段階です。
この時期になると、子供のストレスや不安が限界に達し、親に対し抵抗しだします。
時には泣き叫んだり、親が無理に学校へ連れていこうとすると、激しく暴れたり暴言を吐く場合もあります。
しかし、無理にでも学校に連れて行くと、打って変わって大人しくなるという特徴もあるようですが、この時期の無理強いが、症状の悪化や不登校を招くと言われています。
自閉期
学校恐怖症の最終段階です。
親が学校へ行かせるのを諦めることで、子供の暴力、暴言などの攻撃的態度は減り、穏やかな状態になりますが、不登校となり、子供は自分の世界(自宅)に閉じこもるようになってしまいます。
しかし心の緊張感やストレスは感じており、親の不用意な言葉などで、急に怒り出したり暴れたりすることも。
心を許した特定の友人との交際はしますが、広い範囲の交際は好みません。
この時期のこういった症状は、数ヵ月から数年単位で、一進一退を繰り返すと言われています。
学校恐怖症の原因をチェック!
子供が不登校になってしまう原因は、不登校の子供の数だけ理由があると言われていますが、大きく分けると以下の
- 対人(友人)関係
- 体罰
- コンプレックス
- 成績不振
- 失敗体験のトラウマ
学校恐怖症になってしまう原因も、一概には言えませんが、対人(友人)関係での悩みやいじめ、体罰、コンプレックス、成績の不安などが考えられます。
また、過去の失敗体験が原因の場合もあるようです。
例えば、発表会で失敗した、皆の前で吐いてしまった、粗相をしたなど、自身でもショックな経験をした後で、更に友達にからかわれたりすることでトラウマとなります。
酷い暴力を受けた場合も同様ですし、勉強やスポーツなどで他者と比べて自身が劣っているなどの劣等感がトラウマになる場合もあります。
他人からは、「ささいなこと」と思われるような事柄でも、本人にとっては大きな悩みや不安材料は、良くない記憶となりうるのです。
時間が経っても、それらのトラウマを思い出してしまうと(フラッシュバック)、「また同じことが起こるかもしれない」という心配や不安が、やがて恐怖症へと結びつくと言われています。
また、今まで順調に過ごしてきた子供が、“自身の行き詰まり”を認められずに、その気持ちが”漠然とした不安“となり、それらが恐怖という形になるとも考えられているようです。
不登校を克服する対策
不登校を克服するのは、原因がなんであれ、容易にはいかないようです。
特に、神経症である学校恐怖症は、心理的要因が原因となりますから、間違ったアプローチは逆効果となる場合も考えられます。
学校恐怖症を含めた不登校は、他者には理解できない場合が多くあります。
多くの場合、学校に行きたがらないのは「怠け」や「さぼり」だと勘違いしている親もいるでしょう。
学校恐怖症についても、第二段階の“登校時のパニック時期”に、無理やり子供を無理に学校に行かせるなどの無理強いは、更なる恐怖感へ繋がると言われています。
そうならない為にも、早い段階で専門医にかかることが重要となります。
病院で専門医にかかる
まずは、学校恐怖症の初期段階である心気的時期に、心療内科などの専門医を訪ねることが肝心です。
一般的な不登校と症状が似ているため、素人には判断が尽きにくい場合もありますが、専門医にかかることで、判断がつく場合も多いのです。
また、様々な不安感を訴える症状を持つ病気も存在します。
学校恐怖症だと思ったら、別の病気が原因だったということもあり得るのです。
そう言った判断をつけるためにも、なるべく早い段階で診察を受ける必要があると考えられています。
家庭では
学校に行かず、ゲームやPC、趣味などで過ごす子供に親は、それらの制限をしたり、禁止しようとする事がありますが、それらの行為は子供のストレスを増大させたり、パニックを起こさせたりする原因になると考えられます。
学校に行けない子供の唯一の逃げ場は家庭だけであることから、その家庭においても子供への余計な不安を与えないよう注意しましょう。
親が子供の気持ちを理解しようとする姿勢が、子供にとって一番の安心となるはずです。
専門医にかかっているならば、家庭での過ごし方を医師に相談すると良いでしょう。
学校恐怖症の治療法
上にも書いた通り、専門医にかかることで、その子供の症状に合わせた治療法が提案されるでしょう。
ここでは、一般的に見られる診察の流れや治療についてご紹介します。
初診時の問診・検査
どのような病院でも最初は問診がありますから、子供の症状をなるべく詳しく話すと良いでしょう。
他の病気が考えられる場合には、血液検査などが行われる場合もあります。
心理療法
認知行動療法と呼ばれる、不安や恐怖をコントロールする訓練方法などが用いられます。
薬物療法
症状にあった薬を服用することで、症状の緩和が期待できます。
カウンセリング
専門医の元でカウンセリングを受けることで、自分自身でも気が付かなかった原因が分かる場合もあります。
原因が分かることで、解決に繋がることもあるようです。
[char no=8 char="パパ"]いつも子供と一緒にいる親が一番子供のことを理解しているつもりでも、病気に関しては専門医の方が知識があります。臆せず、病院を頼りにしましょう![/char]
さいごに
一言に不登校と言っても様々な原因が存在するようです。
『学校恐怖症』もその一つで、学校に行こうとしたり学校の事を考えることで恐怖や不安を感じ、重症化すると学校に行けない不登校となってしまうようです。
なるべく早い段階で専門医に相談し治療を開始することで、症状の進行を抑えることが可能となります。
その子供、それぞれ個人に向いた治療法が提案されますので、医師の指示に従うと良いでしょう。
家族が子供の気持ちを理解することも大事なことですから、子供の様子を見極めて、一緒に子供に寄り添って専門医を訪ねていただきたいと思います。