子供の具合が悪くなると、いつでも心配になりますが、それが夜中なら尚更です。
夜中に突然の腹痛や下痢、嘔吐、発熱などの症状が子供に出た場合、それらがただの食べ過ぎや風邪なのか?
すぐに病院に連れて行くべきか、自宅で様子を見るべき悩む場合もあると思います。
今回は、夜中に子供の具合が悪くなった時の対処法などについてご紹介します。
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子供の夜中の腹痛、下痢について
子供が訴える腹痛の原因には大きく分けると2つのパターンがあります。
- 食べ過ぎや消化しにくい物を食べた場合などの消化不良
- ウィルス性胃腸炎などの病気
が考えられます。
それぞれのパターンについて、原因と対処法を見ていきましょう。
食べ過ぎなどの消化不良の場合
子供の胃腸は、大人に比べて未発達なため、大人と同じ物を食べても腹痛や下痢を起こす場合もありますから、まず、何を食べたか、どのくらいの量を食べたかをチェックしてみてください。
食べ過ぎや消化に負担のかかりそうなものを食べていれば、それらが原因と考えられます。
発熱や嘔吐の症状がみられず、下痢の回数が少なく徐々に痛みが引いていくようなら、そのまま自宅で様子をみて大丈夫でしょう。
嘔吐や下痢を伴っている場合
ウィルス性胃腸炎の可能性が考えられます。
昔から『お腹の風邪』と呼ばれているもので、最近では『嘔吐下痢症』とも呼ばれます。
下痢を引き起こすウィルス性胃腸炎には、『ノロウィルス』や『ロタウィルス』などがあります。
症状の程度によっては、嘔吐や発熱などが起こる場合もあります。
様子を見て、翌日、病院に行くと良いでしょう。
ノロやロタは、嘔吐物や排泄物を通して感染しますから、家族に移さない為にも、嘔吐物や排泄物のついた場所や、処理する際には、しっかり消毒することが重要になります。
腹痛時に注意すること、対処法
もし、お子さんが激しいお腹の痛みを訴えるような場合や同時に高熱が出ている場合は、夜間救急病院の受診をおすすめしますが、時間と共に治まっていく場合は様子を見ても大丈夫でしょう。
ですが、一度傷んだ胃腸の回復には時間がかかる場合があります。
しばらくの間は、消化の良い物を食べさせて胃腸を休ませてあげましょう。
また、子供の食べる量については、大人がコントロールして適切な量を決めてあげると良いですね。
下痢が続く場合は、体内の水分が失われていますから、水分の補給が必要です。
一度にたくさん飲みたがらないようであれば、少しずつこまめに飲ませると良いですね。
脱水症状には、くれぐれも気をつけてください。
もし、あまりにも下痢の回数が多かったり、嘔吐も伴う場合は、水分の補給が追いつかず、脱水症状になってしまう場合がありますので、その場合は病院の受診をおすすめします。
尚、子供、特に乳児の場合の下痢には重篤な病気が考えられる場合もありますから、便の様子や、お子さんの様子をしっかりと見て、普段と違うようであれば、病院の受診を急ぎましょう。
子供の夜中の嘔吐について
寝る前は元気で遊んでいた子供が、急に嘔吐してしまうと、親としては驚き焦ってしまいますよね。
子供の嘔吐は心配ではありますが、様子を見て、受診するかどうかを判断していただきたいと思います。
熱もなくその後も元気がある場合
熱もなく、嘔吐後も元気なようであれば、嘔吐の原因として1番に考えられるのが『食べ過ぎ』です。
子供は、大好きなものであれば、お腹がいっぱいでも、もっと食べたがります。
その時は胃に収まっても、結局、嘔吐してしまう場合もあるのです。
吐くだけ吐いて、その後、熱もなく元気であれば特に心配する必要はないようですので、そのまま様子を見てください。
嘔吐と下痢を繰り返す場合
上にも書いた『ウィルス性胃腸炎』が考えられます。
症状の重さにもよりますが、様子を見て、翌日、病院に通院しましょう。
また、家族への感染対策(手洗い・消毒など)も忘れずにおこないましょう。
咳込んで嘔吐した場合
通常の風邪などでも、せき込んだ拍子に嘔吐してしまう場合があります。
胃と食道の間にある弁が、子供の場合は緩いため、食べ物が逆流してしまう場合もあるようです。
風邪が治れば嘔吐しなくなりなる場合が多いので、特に心配する必要はありませんが、嘔吐後ぐったりしているようであれば受診をおすすめします。
嘔吐時に注意すること、対処法
通常の嘔吐の場合は、特に心配する必要はありませんが、嘔吐することによって、体内の水分が失われていますので水分補給を忘れずにしましょう!
ただ、吐き気が続いている場合は、水分補給をするたびに吐いてしまうこともありますから、一度にたくさん水分を飲ませるのではなく、1口、2口少量ずつ時間をあけながら飲ませてあげましょう。
嘔吐が治まるまでは、無理に大量の水分を飲ませなくても大丈夫です。
もし、あまりにも嘔吐の回数が多かったり下痢も伴う場合は、水分の補給が追いつかず、脱水症状になってしまう場合がありますので、その場合は病院の受診をおすすめします。
子供の夜中の発熱について
子供の発熱は良くあることですし、翌朝になるとケロリとして平熱になっていることもしばしばです。
ですが、やはり夜中に突然、高熱を出すとびっくりしますよね。
夜間診療に行った方が良いのか、朝まで待った方が良いのか悩むところではないでしょうか?
子供の夜中の発熱について、原因と対処法を見ていきましょう。
発熱しても元気がある場合
高熱でも元気があれば、自宅で様子を見ても良いようです。
逆に、夜中に無理をさせて症状が悪化してしまう場合もあります。
すぐに受診しない場合も、解熱の為に保冷剤などをタオルで包んだもので、首筋などを冷やすのは効果がありますよ。
熱で汗をかいているようなら、肌着やパジャマを取り換え、水分を補給してあげて安静にさせ、朝になっても高熱が続くようだったら病院で受診すると良いでしょう。
様子がおかしい場合
以下の症状があり様子がおかしい場合はすぐに病院へ通院してください。
- 高熱でぐったりしている
- 意識が朦朧としている
- 呼びかけに反応がない
- 痙攣が続く
- 嘔吐が止まらない
などの症状は要注意です。
なお痙攣中は、「ゆすったり」「叩いたり」せずに、落ち着いて痙攣が治まるのを待ちましょう。
その際は、痙攣していた時間や様子などを控え、医師に伝えると良いでしょう。
発熱時の注意
自宅で様子を見る際は、汗をかいたら、こまめにふき取ったり肌着を取り換えてあげると良いですね。
また、熱がある間の入浴は控えましょう。
その代わり、蒸しタオルなどで、お子さんの体を拭いてあげるとさっぱりして気持ちが良いと思います。
顔や首の周り、手のひらや脇の下、足や陰部など汗のかきやすいところを丁寧に拭いてあげましょう。
(蒸しタオルの温度にはご注意ください)
保冷剤などで身体を冷やす際は、必ずタオルなどで包み、直に肌にあてないようにしてください。
同じ場所ばかり冷やし続けると凍傷になる恐れがありますからご注意ください。
通院すべきか判断がつかない場合
急いで受診すべきかどうかわからない場合は、電話などで夜間対応できる病院などに問い合わせると良いでしょう。
また、電話で#8000を押すと、お住まいの都道府県の『小児救急電話相談』の窓口に繋がり、急な子供の病気の対処法などや、診療を受けるべきか否かを小児科医や看護師に電話相談ができます。
(『小児救急電話相談』の相談料は無料ですが、電話の通話料がかかります)
さいごに
子供が夜中に発熱や腹痛、嘔吐、下痢などになっても、夜間救急病院に行くべきか迷う場合。
そんな時に、すぐに受診すべきか、自宅で様子を見た方が良いのかの判断についてまとめてみました。
また、症状ごとに、考えられる原因や、その対処法についてもご紹介しましたので、参考にしていただけたらと思います。
子供が不調を訴えても、慌てずに落ち着いて、適切な方法でケアできると良いですね。