5月5日は、端午の節句ですね!鯉のぼりや兜を飾り、柏餅などを食べて、菖蒲湯に入り、男の子の健やかな成長を願う年中行事。
男の子の子供を持つ親のみなさんは、『菖蒲湯』の由来をご存知で、実際に入浴されていますか?
筆者の2人の息子たちも赤ちゃん時期が終わったので、今年から一緒に菖蒲湯を楽しもうと思っています!
[char no="11" char="パパ"]菖蒲湯お風呂に入るよ~。[/char]
[char no=4 char="10歳♂"]わーい♪わ~い♪[/char]
一緒にお風呂に入る子供たちにも「菖蒲湯」について説明しながら、入浴するのが楽しみです。
今回は意外と知らない、菖蒲湯のやり方や入り方、効能や効果についてご紹介したいと思います。
また、本来の入浴時期は6月頃?という筆者的には意外な話を聞いたので、そちらも調べてみましたよ。
お好きなところからどうぞ
菖蒲湯の由来は?
菖蒲湯の歴史をたどると、古い中国の歴史まで遡ると言われています。
中国で菖蒲は、昔から病気や邪気を払う薬草だと考えられていました。
下でもご紹介しますが、実際、菖蒲には体に良い効能がたくさんありますよ!
そのため、古くから中国の人々は、長寿や健康を願って菖蒲を用いていたと言われているのです。
そして、端午の日(5月5日)というのは春から夏への変わり目と考えられ、体調を崩しやすい季節の変わり目に菖蒲湯につかることで、無病で過ごすことができると信じられていたようです。
[char no=10 char="ジジとババ"]日本に菖蒲湯の習慣ができたのは、江戸時代頃なんじゃよ。[/char]
武家社会で菖蒲と尚武(武道・武勇を重んじること)をかけて、5月5日を尚武の節日として祝うようになりました。
これが元となり、生まれた男の子の健康と成長を願う『端午の節句』に結びつき、5月5日には菖蒲湯に入ることが習慣として、現在まで受け継がれている訳なのです。
菖蒲湯のショウブってどんな植物?
端午の節句に入ると言われている『菖蒲湯』
『菖蒲(ショウブ)』って名前は知っているけど、どんな植物なの?という方もいらっしゃるかと思います。
よく勘違いされているのが、同じ「しょうぶ」の名前を持つ紫色や白色の花が咲く『ハナショウブ』と同じものだと思われているようですが、実はまったく別の植物となるのです!
菖蒲湯に使う『菖蒲』はサトイモ科の植物で、その花はガマの穂に似た形状をしています。
それに対して、『ハナショウブ』はアヤメ科の植物で、名前と葉の形状が『菖蒲』と似ているので混同されやすいのです。
似ていても、まったくの別物ですから、飾りに使ったハナショウブの葉などを、菖蒲湯として使用しても『菖蒲湯』の効能や効果は得られませんから気をつけてくださいね!
参考まで、菖蒲と間違いやすい植物をまとめてみました。
菖蒲(ショウブ)
サトイモ科の植物で、独特の芳香があり、菖蒲湯に葉や根を使用します。
ガマの穂に似た花をつけます。
花菖蒲(ハナショウブ)
アヤメ科の植物で、花の色は紫系の他にも黄色や白、絞りなど。
花弁の元に黄色の目型模様があるのが目印です。
アヤメ
アヤメ科の植物で花は紫色、花弁の弁元に網目模様があります。
杜若・カキツバタ
アヤメ科の植物で、青紫色か紫色、花弁の弁元に白い目型模様があります。
綺麗な花が咲くのは、全てアヤメ科のもののようです!
間違えないように、気をつけてくださいね。
菖蒲湯のお風呂のやり方や入り方!
さて、菖蒲の種類について分かったところで、さっそく『菖蒲湯』のやり方についてご説明したいと思います。
菖蒲はどこで買うのか?
最近では、5月5日付近になると、スーパーや花屋などで、『菖蒲湯セット』といった、菖蒲の葉と根が一緒になった物が販売されていますから、それらを購入するのが楽ですね。
菖蒲を買ってきたら、あとはお風呂に入れるだけですよ!
菖蒲湯のやり方
まずは菖蒲の準備から。
菖蒲の香りは葉から、血行促進や保温効果は茎の部分からになりますので、根のついた物を10本ぐらい用意して束ねておきます。
ばらばらのままで使用すると、風呂釜などに詰まってしまう場合がありますから、気をつけてください。
ご自宅のお風呂が、沸かすタイプの場合は、水のうちから束ねた菖蒲を入れ、いつもより少し高めの温度に沸かしておくと香りが増します。
その後、お好みの温度に調整して入るといいですね。
給湯式(湯を溜める)のお風呂の場合には、空の浴槽に菖蒲を入れ、42度~43度の高めの温度で給湯すれば香りを高めることができます。
その後、お湯の温度を調節して入浴してください。
尚、菖蒲を15㎝ほどの長さに切ってお湯に入れるという地域もあるようです。
もしかすると、お住まいの地域独特の方法があるかもしれないで、調べてみるのも面白いかもしれませんね。
菖蒲湯の入り方
菖蒲湯の入り方にコツはあるのでしょうか?
特別な方法はありませんから、普段通りに入浴して問題ありません。
ですがせっかくですので、お子さんと一緒に入浴して、湯船に浮かんだ菖蒲を使って『おまじない遊び』をしてみてはいかがでしょうか?
湯船に浮かべた細長い菖蒲の葉を一本とり、身体に巻きます。
頭に鉢巻のように巻けば『健康で頭が良くなる』、お腹に巻くと『お腹が痛くならない』などといわれていますから、菖蒲の葉を使って楽しんでみてくださいね。
菖蒲湯の注意点
菖蒲の葉は、お湯で柔らかくなっているとはいえ、葉の縁が鋭い場合がありますから、小さなお子さんの柔らかい肌を傷つけてしまう場合があるかもしれませんので、取り扱いにはご注意ください。
また、赤ちゃんを菖蒲湯に入れることに問題はありませんが、赤ちゃんのお肌はとてもデリケートですから、外部からの刺激にも弱い為、菖蒲の精油成分が負担になる可能性も考えられます。
その場合は、赤ちゃんが入浴する直前に菖蒲を浮かべて気分を味わうだけでも良いかもしれませんね。
尚、大人も子供も、肌にトラブルがある場合は、菖蒲湯などは避けた方が良いでしょう。
特に、菖蒲の精油にアレルギー反応が出る場合も考えられますので、ご注意いただけたらと思います。
せっかくの菖蒲湯ですから、安全安心で楽しんでくださいね。
菖蒲湯のお風呂の効能効果は?
上にも書いた通り、中国では昔から菖蒲を薬草として用いていました。
では、菖蒲には、どのような効能や効果があるのでしょうか?
菖蒲湯で得られる効果・効能
- 血行促進
- 腰痛
- 神経痛
- 冷え性
- 筋肉痛
- リュウマチ
- 肩こり
- リラックス
菖蒲にはアサロンやオイゲノールという精油成分が含まれており、これが腰痛や神経痛を和らげる効果があると言われています。
この効能のある精油成分は、特に根の方に多く含まれていますので、菖蒲湯をする際には葉だけではなく、ぜひ、根の部分も一緒に入れたいですね。
また、菖蒲の葉の部分からは、清々しい香りを楽しむことができます。
菖蒲の香りにはアロマテラピー効果があるので、菖蒲湯に入ることで心身をリラックスさせることができますよ。
尚、菖蒲の精油成分をもっと味わいたい場合には、次のような方法もあります。
菖蒲の精油成分を抽出する方法!ガーゼも便利
葉を長いまま湯船に入れないので、葉に直接、触れたくない方はこの方法をおすすめします。
- 菖蒲の葉と根を細かく刻み、ガーゼなどの袋に入れます。
- 袋を洗面器などに入れ、熱湯を注ぎます。(火傷にご注意ください)
- そのまま10分ほどおいておくと、精油成分が出てきます。
- 湯を沸かした(溜めた)湯船に、洗面器の中身をすべて入れます。
- 普通に入浴します。
菖蒲を入れるガーゼの袋の代わりに、タオルなどで包んでも大丈夫ですが、湯船の中で開かないようにご注意ください。
湯船の中に刻んだ葉が出てしまうと、風呂釜に詰まったり、掃除が大変になってしまいますよ!
菖蒲湯の入浴時期は6月頃?
菖蒲湯は、5月5日、端午の節句に行われるのが一般的です。
5月5日に『菖蒲湯サービス』などを行う銭湯もあるようですね。
ですが、地域によっては、菖蒲湯に入るのは6月というところもあるようで、菖蒲湯発祥の地でもある中国では、行事が旧暦で行われているため、菖蒲湯も6月になるそうです。
また、岡山県の湯郷鷺温泉館(ゆのごうさぎおんせんかん)では、毎年6月に菖蒲湯のサービスがあります。
このように日本でも、少ないながらも月遅れや旧暦にあわせて菖蒲湯を行っているようですから、ご興味があれば、ぜひ、訪れてみてはいかがでしょうか?
さいごに
5月5日端午の節句に入る『菖蒲湯』の由来は、季節の変わり目を健康に過ごせるように、子供の健やかな成長を願うという意味があるようです。
実際、菖蒲には体に良い効果や効能がたくさんあります。
最近では、スーパーなどでも簡単に菖蒲が購入できますから、ぜひ、菖蒲湯にチャレンジしてみたいですね。
菖蒲湯のやり方や、お風呂の入り方、注意事項などについて、ご参考にしていただけたらと思います。
日本では菖蒲湯に入浴するのは5月5日の端午の節句が一般的ですが、旧暦では6月頃まで楽しむ地域もあるようです。
これから、春から夏にかけて季節の変わり目となる時期に、ぜひ、ご家族で菖蒲湯を楽しんでいただけたらと思います。